TEE-$HORT - Night & Bay Vol.16

販売価格 1,500円(内税)

SOLD OUT
Label:MIDNIGHT MEAL
Format:CD
盤質:NEW
2025

猛暑が当たり前になった夏を見越していたかのような16通目、今すぐ部屋のオーディオにこれをぶちこめ。

-info-
7月の終わり、L.A.の空は異様なまでに青かった。 雲ひとつない澄んだ空にヤシの葉がカリフォルニアの風に揺れている。こんなに綺麗な日があるのかと一人で感心してしまった。 だが、街の空気はどこかざわついている。先週、West L.A.で警官による暴行動画が出回ってまた一悶着。抗議デモが小規模ながらも再燃し、3rd Street Promenadeには“JUSTICE FOR J.”の即席ステッカーが貼られ始めていた。さらにMetroの運賃改定も重なり、住民は「電車すら庶民のもんじゃなくなるのか」と嘆いている。“リビングコスト”という言葉が、会話に溶け込みすぎて逆にリアルじゃなくなってきた気がする。

今日は久々に予定がない休日だ。夏の風物詩、夏の恒例、夏のお供といえばなOAK-TOWNからの例のブツ『NnB』のブランニューが丁度、昨日届いていた。 当然やることは決まっている。990に足を入れ、earbudsを耳に押しこみ、National Blvd.からMotor Ave.を下って歩き出す。 “5 Star”が始まった瞬間、陽射しと音がぴったり溶け合って肩の力が抜けた。Gunplayなしの武装解除。

前の家の塀を越えて伸びたブーゲンビリアが風に揺れ、すれ違ったランナーの汗と日焼け止めが、湿気のない空気に一瞬だけ残る。 “Strategizer”のGreedoが耳に流れ込んできた頃には、すっかり気分がセットされていた。「このまま歩けるとこまで行こう」と心のどこかで決まった。 Palms Parkのベンチで一息。 子どもの笑い声の向こうから“STREETS AIN’T THE SAME”のフックが聴こえたとき不意に過去を思い出した。 歩き出すと“The Way”が流れて、前方の街灯が一本ずつリズムを刻んでるように見えた。 Exposition Blvd.の手前、小さな十字路で前に何度か会った娘を見かけた。Dazの“Bad Bitch”がちょうど流れていて、何となく俺はそのまま素通りした。むしろその方が絵になる気がした。 空はオレンジと群青のグラデーション。ラストの“BABYGIRL”が終わる頃、ポーチにたどり着く。バターとローズマリーの匂いが漂い、窓からはキッチンの黄色い光が溢れていた。 私はカギを出す手を止めて耳の中の余韻に少しだけ浸っていた。

WALKIN’, DISTANCE, SKYLINES, Night and BAY…。

ーTIRON “WRONG JAW” SCHWARTZ


WDsounds


seminishukei


GSR


MIDNIGHT MEAL